モンタギュー文法のシュガーリングーフォーマットのシフトを中心に5


 直感主義論理に基づいた簡単なドイツ語の文法を考察する。レキシコンは、基本表現に範疇を割り当てていく。範疇文法は、直感主義のタイ プ理論を形式化する規則である。そしてシュガーリングの規則は、形式化された表現がドイツ語として認知される語彙の連鎖を返す。
 Ranta の文法と Montague 文法の違いは、前者がシュガーリングと意味の説明の基礎となる表現を形式化しているにすぎない点である。Montague 文法は、 (i) 基本表現を分析榭に結合させ、(ii) 分析樹を単純な文にシュガーリングするといった二重構造となっている。もちろん、Ranta の文法も意味と形式間のパラレルな関係を要求する。
 まず、多くのドイツ語の表現がタイプ理論の意味で直接レキシコンに導入されます。範疇化が存在論の意味を持っているため、各表現に対してタイプ理論の意味合いを作ることができる。また、ドイツ語の量化表現(jeder や不定冠詞)の範疇化は排除する。これらの語彙が ∑ と Π による表現を示すことができないため、レキシコンに jeder を登録してから、“jeder Mann” を “x” と置換してシュガーリングを掛けていく。 しかし、jeder が強い意味を持つと、Π のシュガーリングに問題が生じる。 jeder が弱い意味を持つと、一意な意味が出る。その場合、jeder に対する形式表現は Π となり、不定冠詞は ∑ になる。こうしたシュガーリングの規則の特徴は、擬似的な範疇化によって表現される。擬似的に範疇化された表現を持つと、パージングの規則は、一定の方法でそれを処理することができる。

花村嘉英著(2005)「計算文学入門-Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」より

シナジーのメタファー1


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