森鴎外の「山椒大夫」の多変量解析-クラスタ分析と主成分9


【カラム】
A平均1.6 標準偏差0.49 中央値2.0 四分位範囲1.0
B平均1.2 標準偏差0.4 中央値1.0 四分位範囲0
C平均2.0 標準偏差0  中央値2.0 四分位範囲0
D平均1.8 標準偏差0.45 中央値2.0  四分位範囲2.0
【クラスタABとクラスタCD】
AB 平均1.4普通、標準偏差0.44普通、中央値1.5普通、四分位範囲0.5低い
CD 平均1.9高い、標準偏差0.22普通、中央値2.0高い、四分位範囲1.0低い
【クラスタからの特徴を手掛かりにし、どういう情報が主成分なのか全体的に掴む】
CDの数字がそれぞれ高いため、正道が佐渡に流された母と再会する様子が鴎外の一番の関心事になっている。
【ライン】合計は、言語の認知と情報の認知の和を表す指標であり、文理の各系列をスライドする認知の柱が出す数字となる。
① 7、視覚、比喩、新情報、未解決 → 場面の始まりは未解決が多い。
② 7、視覚以外、直示、新情報、未解決 → 正道は臓腑が煮え返る。 
③ 7、視覚以外、直示、新情報、未解決 → 正道が駆け込む。
④ 7、視覚、比喩、新情報、未解決 → 正道が俯伏す。
⑤ 7、視覚以外、直示、新情報、未解決 → 正道が守本尊を額に押し当てる。
⑥ 7、視覚以外、直示、新情報、未解決 → 女は大きいものを察知した。
⑦ 6、視覚以外、直示、新情報、解決 → 歌をやめて見えぬ目でじっと見る。
⑧ 6、視覚以外、直示、新情報、解決 → 両方の目に潤いが出た。
⑨ 6、視覚以外、直示、新情報、解決 → 女は厨子王と叫ぶ。
⑩ 6、視覚、比喩、新情報、解決 → ぴたりと抱き合う。
【場面の全体】
 視覚情報が全体で半分ほどしかなく、脳に届く通常の五感の入力信号の割合よりも低い。しかし、ここでは心の目が問題解決に効いている。

花村嘉英(2019)「森鴎外の『山椒大夫』の多変量解析-クラスタ分析と主成分」より


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