森鴎外の「佐橋甚五郎」の多変量解析-クラスタ分析と主成分9


【カラム】
A平均1.8 標準偏差0.4 中央値2.0  四分位範囲0 
B平均1.4 標準偏差0.49 中央値1.0 四分位範囲1.0
C平均2.0 標準偏差0 中央値2.0 四分位範囲0
D平均1.6 標準偏差0.49 中央値2.0 四分位範囲1.0
【クラスタABとクラスタCD】
AB 平均1.6普通、標準偏差0.44普通、中央値1.5普通、四分位範囲0.5低い
CD 平均1.8高い、標準偏差0.24普通、中央値2.0高い、四分位範囲0.5低い
【クラスタからの特徴を手掛かりにし、どういう情報が主成分なのか全体的に掴む】
Cの数字がそれぞれ極端に高いため、甚五郎が筋書き通りに甘利を仕留める様子が鴎外の一番の関心事になっている。
【ライン】合計は、言語の認知と情報の認知の和を表す指標であり、文理の各系列をスライドする認知の柱が出す数字となる。
① 7、視覚、比喩、新情報、未解決 → 場面の始まりは未解決が多い。
② 7、視覚以外、直示、新情報、未解決 → 甘利が微睡む。 
③ 7、視覚以外、直示、新情報、未解決 → 甚五郎が甘利を襲う。
④ 7、視覚、比喩、新情報、未解決 → 甘利の胸元を押さえる。
⑤ 7、視覚以外、直示、新情報、未解決 → 甘利は夢うつつ。
⑥ 7、視覚以外、直示、新情報、未解決 → 刃物で刺した。
⑦ 6、視覚以外、直示、新情報、解決 → 甘利の喉に血が上る。
⑧ 6、視覚以外、直示、新情報、解決 → 岐路につく甚五郎の動作。
⑨ 6、視覚以外、直示、新情報、解決 → 家康は甘利に言及せず。
⑩ 6、視覚、比喩、新情報、解決 → 蜂谷の一族は甚五郎を良く思わない。
【場面の全体】
 視覚情報が全体で3、4割しかなく脳に届く通常の五感の入力信号の割合よりもかなり低いため、視覚意外の情報が問題解決に効いている。

花村嘉英(2019)「森鴎外の「佐橋甚五郎」の多変量解析-クラスタ分析と主成分」より


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